文書要約の予算設計
PDF要約のAI費用とトークン数の計算方法
PDFのMB数をそのままトークンへ換算すると誤差が大きくなります。テキストPDF、スキャンPDF、表や図が多い資料を分け、実際のAPI使用量から1文書と月間バッチの費用を見積もりましょう。
ファイル容量だけでは費用が決まらない
同じ10MBでも、文字中心の契約書、写真として保存されたスキャン、図表中心の決算資料ではモデルへ渡る情報量が違います。テキストを抽出して送る構成では抽出文字列が主な入力です。PDFを文書や画像として直接送る構成では、ページの視覚情報も処理対象になり得ます。
まず代表的なPDFを種類別に3〜10件選び、利用予定のモデルと同じAPIで入力トークン、出力トークン、画像・文書モダリティの使用量を記録してください。モデルやAPIの仕様変更に追従できるため、固定の「1ページ=何トークン」という換算より安全です。
1文書の費用を計算する
テキスト入力の基本式は(入力トークン ÷ 1,000,000 × 入力単価)+(出力トークン ÷ 1,000,000 × 出力単価)です。PDFページが画像入力として計上されるAPIでは、その使用量と単価も別に加えます。OCRや文書解析サービスを使う場合は、その料金もAI API費用と分けて記録します。
- 入力:抽出本文、要約指示、ページ画像、表や図、システム指示
- 出力:要約本文、見出し、表、引用、JSONなどの生成結果
- 回数:分割要約、最終統合、品質確認、形式修正、失敗時の再試行
月間PDF要約の例
サンプル計測で1冊あたり平均30,000入力トークン、3,000出力トークンになり、500冊を月1回処理するとします。再試行前の月間使用量は入力1,500万トークン、出力150万トークンです。この値を利用時点の公式単価へ別々に当てはめ、OCR、画像入力、10%の再試行を必要に応じて追加します。
長いPDFは分割と統合を数える
文書を章ごとに分割する場合、各章の要約だけでなく、章要約をまとめる最終リクエストにも入力と出力が発生します。共通の指示や目次を各チャンクへ繰り返し送る量も含めてください。ページの重複を持たせる構成では、その重複分も入力使用量になります。
要約の長さを先に決める
「要約して」だけでは出力長が安定しません。経営向け400字、章ごとに箇条書き5点、リスクと根拠ページを含む表など、必要な形式と上限を決めます。短い要約は出力費用を抑えやすい一方、引用や詳細な比較表を求めると出力トークンと確認作業が増えます。
本番前の確認項目
- 文字PDFとスキャンPDFを別々に計測したか
- 日本語、英数字、表、図が実データに近いサンプルか
- 分割要約と最終統合の両方を数えたか
- OCR、ストレージ、再試行、人による確認を分けて見積もったか
- APIレスポンスの実測使用量で見積もりを更新できるか
月間の呼び出し回数まで含める場合は、月間AI API費用の計算ガイドも確認してください。