AIサービスの予算設計
月間AI API費用の計算方法
月額はモデルの100万トークン単価だけでは決まりません。1回の入力と出力、処理ごとのモデル呼び出し回数、1日の利用量、稼働日数、再試行を合わせると、本番運用に近い予算を見積もれます。
月間費用の計算式
まず1回の呼び出し費用を(入力トークン ÷ 1,000,000 × 入力単価)+(出力トークン ÷ 1,000,000 × 出力単価)で計算します。これに処理あたりの呼び出し回数、1日の処理数、月の稼働日数を掛けると、再試行前の月額になります。
再試行率を10%と見込むなら結果に1.1を掛けます。検索、分類、回答生成で異なるモデルを使うワークフローは、各ステップを別々に計算して合計してください。
月間カスタマーサポートの例
1件の対応に4,000入力トークンと800出力トークンを使い、回答ごとにモデルを2回呼び出すとします。1日500件を30日運用すると、再試行前の月間使用量は入力1億2,000万トークン、出力2,400万トークンです。この値を選択したモデルの最新の入力・出力単価へ別々に当てはめます。
通常の依頼と大きな依頼を分ける
平均値だけでは、長い文書や複雑な質問が集中する日を見落とします。実際のプロンプト、システム指示、RAG検索文書、回答サンプルを使い、通常の依頼と大きな依頼をそれぞれ計算してください。各シナリオの割合も反映すると、単純な最大値より現実的な予算幅を作れます。
見落としやすい使用量
- 毎回送信されるシステム指示と会話履歴
- RAG検索文書、ツール実行結果、ファイルから抽出したテキスト
- 品質確認、書き直し、エージェント処理で発生する追加呼び出し
- タイムアウト、形式エラー、ユーザーの修正依頼による再試行
円建ての予算で確認すること
提供会社の価格が米ドル表示の場合は、決済時の為替レート、海外決済手数料、税を別に確認してください。モデル価格や割引条件は変わるため、固定の価格表をそのまま予算にせず、導入直前に各社の公式料金ページで確認するのが安全です。
リリース後は実測値に置き換える
運用開始後は、APIレスポンスや提供会社の使用量レポートから入力トークン、出力トークン、キャッシュヒット、失敗したリクエスト、モデル名を記録します。成功したユーザー処理1件あたりの費用を追跡すると、アクセス増加が月間予算へ与える影響を予測しやすくなります。
入力と出力の範囲が不明な場合は、先に入力トークンと出力トークンの料金計算ガイドを確認してください。